2011年1月17日月曜日

【書籍】 小野田寛郎 『たった一人の30年戦争』 東京新聞出版局 1995.8

結局、上官の命令で初めて帰還することになった。なぜ、そこまで「残置諜者」の任務をせざるを得なかったのであろうか?

p.33 私の情勢分析では日本本土は米軍に占領され、カイライ政権がつくられている。しかし、本当の日本政府は満州のどこかに存在しているはずだった。
p.36 私は陸軍中野学校で「大東亜共栄圏完成には百年戦争が必要だ」と教え込まれていた。
p.41 昭和49年3月9日、上官の谷口少佐が作戦行動の停止、全任務の解放等の 命令の口達があった旨、の記述。
p.107 兄の手紙の誤植から、兄からの手紙は偽装工作であると信じたが、単なる厚生省の誤植だったらしい。
p.135 人間は水と塩があれば、最低限生きる条件が整っているような気がする。(略)食事にほんのひとつまみの塩を入れる。それだけで味が違い、体力が回復した。
p.201 戦場でお金は何の価値も持たなかった。私はルバング島で、四千円お札を焚き火の焚きつけにして燃やしてしまった。(略)戦場では、四百枚の紙幣は、四百枚の紙切れでしかなかった。

■ 所在   ★★☆☆☆
  県立

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