2026年7月26日日曜日

【書籍】 長谷川眞理子 『ダーウィンは進化をどう考えたのか』 ちくまプリマー新書 2026.5

 (所在)6FY246ハ 市立J467ハ

p.119 ダーウィンの時代は、進化 evolutionという言葉より、転成 transmutation が一般的。進化という言葉が広まったのは、どうもハーバード・スペンサーの著作の影響のようです。スペンサーの考えは、下等な存在から高等な存在へと登っていくという進歩思想。生物学上の進化には、下等から高等へという道筋はないが、進歩という言葉を使うといまだに進歩的な価値観の意味合いがどうしてもつきまとってしますように思います。

p.120 ダーウィンは、生物には下等も高等もなく、時間とともに分岐していくことが、転成と考えていた。そのメカニズムとして、自然淘汰の理論を考えた。
それに対して、下から上への発展・進歩という価値観を含んだ進歩思想としての進化論というものが、生物学とは別の流れとして、19世紀以前からずっと存在し続けている。これらを厳密に区別するように考えてほしい。

p.195 私はつねに進化と進歩を混同してはならないと言い続けてけた。しかし、それをいくら言い続けても、社会におけるこの混同はなくなりません。人間には、何か、時間が経てば物事はよくなると思う進歩思想、またはそれに対する願いやあれこれが染みついているのだと思う。
今回、本書を執筆するにあたって私が気付いたのは、ダーウィンの熱烈な支持者としてふるまったハックスレーを始めとする当時の学者の多くも、実は、進化の理論を、社会を変えて進歩させることを正当化する科学理論とみなして支持していたのではないか、ということ。
 本当に混同していたのではなく、純粋に科学の理論として理解していたのだとしても、進化の理論を利用すれば、自分たちの進歩主義を広めるのに役立つと、無意識に思ったのではないか?

p.206-210
 優生思想と社会進化論
 最近、ある有名な高齢の文化人類学者と話をしたのだが、この人は、進化というと社会進化論と思っており、「進化の考えをとれば必ずや人種差別に至る」と言っていた。こういう誤解は、70代以上の人文社会系初学の学者の間には蔓延しているように思います。
 優生主義は、遺伝学が少し進んできたことを背景に、20世紀初頭にはずいぶんと流行った。統計学の元祖の1人であるフィッシャーは、一時期、優生学会の会長であった。
 また、心理学の計測の始まりは、ダーウィンのいとこであったゴールドンとされているが、彼は優生思想の持ち主。

【書籍】 佐藤信之 『日本のバス問題 高度成長期の隆盛から経営破綻、再生の時代へ』 中公新書 2025.9

 (所在)7FS685.5サ 大学2874

全国で運転士不足により、バス路線の廃止や減便が拡大。
2024年問題:時間外労働2019年から年720時間だが、自動車の運転士については5年間猶予があり、2024年4月に960時間以内となった。
このことにより、需要減で経営悪化に加え、バス運転士を増員しなければならなくなった。

(感想)
トラックの運転士の2024年問題はしばらく前に報道されていたが、当然、バスの運転士も同じ。もはや、民間だけでやれる限界に来ていると思う。今でも弘南バスには市町村で補助金を出しているが、このまま補助金を出すか、公設民営とするか、考えていくことになると思う。

【書籍】 加藤喜之 『福音派 終末論に引き裂かれるアメリカ社会』 中公新書 2025.9

 (所在)県立 7FS312.5カ 市立312カ 大学2873 公立新書

2022年の調査では、米国の20%は福音派で、そのうち世界は終わりつつあると信じているのは、6割を超えるという。また、米国全体でも4割が同様に信じている。

福音派の終末論は、イエスの復興と再臨による最後の審判。福音派は再臨が近いと信じ、自らを神に立つ善の力とみなすことで、世俗化と道徳的退廃という悪に立ち向かう。

福音派にとっての「悪」は、サタンや悪魔などの実体を伴った悪を指す。彼らにとって終末に向かう世界での戦いとは、社会の具体的な問題との対峙であると同時に、その背後にある超自然的な悪との霊的な戦いでもある。

Qアノンの陰謀論の信奉者には福音派の白人が多い。
福音派はトランプを支持。

2026年7月23日木曜日

【書籍】 河村真木子 『人生とお金の本質』 自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい ディスカヴァー・トゥエンティワン 2026.1

 (所在)7FK591カ 市立591カ

◯お金の使い方
1.枠を決める 月いくら
2.欲しいか・必要か
3.投資か・消費か
◯モノを買う行為から卒業する
1.1つ買ったら1つ捨てる
2.リセールバリューの低いモノは買わない
3.飽きたモノを売る
4.どうしても必要なモノは「作り手の夢」ごと買う
5.サブスクも活用する 車を所有しない。家電・服・靴・バッグ
◯富裕層が大事にしていること
1.経験への投資 週末海外旅行、富裕層ごっこ、
◯資本家になる
1.株主になる、不動産オーナーになる
毎朝 ブルームバーグ、ウォールストリートジャーナル、ロイター。日経新聞 キーワードが出てきたら、調べて解説できるレベルにして自分のものにしておく。 ロイターでだけでもいい。難しければ日経新聞だけでも

2026年7月14日火曜日

【書籍】 森田玲 『神輿と祭の民俗学』 人々の祈りとカミの道行き 平凡社 2026.6

 (所在)市立386モ
著者は、関西学院大学大学院社会学研究科博士課程後期課程在学中。

p.18 カミをヒトがマツル行為が、マツリである。マツリでは、カミに供物が献じられ、歌舞音曲が奉納される。
p.54 よく目にする神幸祭は、カミが神社と御旅所とを往復するものであるが、歴史的・地域的に俯瞰すれば、神社と御旅所の往復とは異なる形態の神幸祭も存在する。本稿では、ミアレ型、ハラエ型、オイデ型の3類型に大別する。
ミアレ型:海や山などカミが生まれた原初のミアレ(み生れ)の地から、カミを里に迎えて、カミやヒトの霊力(ケ)の活性と更新を目的とする。
ハラエ型:不浄のケガレ(穢れ)の性質を帯びた厄災神を、人々の生活圏外へと払い遣ることを目的とする。
オイデ型:神社に常在するカミが、本社と御旅所とを往復し、人々との交流を通して、カミとヒトの双方の霊力の活性と更新を目的とする。
p.310 江戸時代は、神事の神輿行列に神賑の山車行列が付随していたが、明治中期以降、両者は独立した行列となり、かつて山車行列が担っていた神賑の枠組みを町神輿が受け継ぐ形で取って代わった。

(感想)
青森のねぶたをどう捉えるか?少なくとも、神輿はないと思う。また、筆者の3類型でいうと、ハラエ型かなとも思うが、微妙に異なるのではないか。ねぶたが山車の変形なのかというとそれもどうか。
いろいろと考えると、ねぶたは、筆者の「神輿と祭」の枠に収まらないものをもっていると思う。祭りの参加者は、人形ねぶたであれ、扇ねぶたであれ、どのような存在と意識しているのか。テーマからは、荒ぶる魂を表現しているのだと思う。
この辺は江戸時代どうだったか文献に当たる必要があるが。

【書籍】 溝口睦子 『アマテラスの誕生 古代王権の源流を探る』 岩波新書 2009.1

(所在)県立 7FS164.1ミ 市立 大学書庫1171 公立

(概要)
日本書紀・古事記などの神話の研究から、弥生時代から4世紀まではイザナミ・イザナギ系の神話が流入しており、これは、中国・東南アジア由来。5世紀の大和統一政権時には、北方ユーラシア由来の天孫降臨神話が朝鮮半島経由でもたらされた。

(感想)
神話は部族の始祖を明らかにするものであることから、部族が外来系であることを示すものと思われる。ケルトのところでも触れたが、技術をもった少数が日本に移住し、支配階級となったのであろう。イギリスのケルト語系言語の例を考えると、日本語にも影響を与えているのだろうが、在来和語との関係はわかっているのだろうか?

2026年7月1日水曜日

【書籍】 小泉悠 『現代戦争論 ロシア・ウクライナから考える世界の行方』 ちくま新書 2026.2

 (所在) 大学1900

p.12-13
次の視点について、軍事面から分析(自己認識としては、「職業的軍事オタク」
・犠牲の程度
・長引く理由
・ロシアの状況
・ロシアの立ち位置の変化
・日本の向き合い方
方法論:公開情報分析(OSINT)・画像情報分析(IMINT)など。
(コメント)
おやっと思った。
普通はウクライナの歴史とか、プーチンの国家観・歴史観あたりから入るような気がするが、いきなり犠牲の程度から入るとは。
おそらくファクトから入ろうとしているのだろう。

p.16-17
ロシアの侵略の理由にはついては、前著『ウクライナ戦争』で概ね検討。結論としては、ウクライナの政治的・軍事的支配を目論んだもの。つまり、属国化。
その戦略目的(成果)としては、非ナチス化、非軍事化、中立化の3点をあげている。

(コメント)
なぜ、ウクライナを属国化しようとしているのか、今ひとつピンとこない。