2010年12月1日水曜日

【書籍】 最相葉月 『星新一 一〇〇一話をつくった人』 新潮社 2007.3

p.283
新一自ら短編の創作方法を考察した「短編をどう書くか」(福島正実編『SF入門』所収)という随筆がある。
アイザック・アシモフの『空想天文学入門』に、アシモフの3つの方法が挙げられていた。
・知識の断片をできるだけ多く広くバラエティに富んでそなえていること
・その断片を手ぎわよく組み合せ、検討してみること
・その組み合わせの結果をどうなるかをすぐに見透かしてみること

p.286
プロットを作るには、「小話を覚えてみたらいい」
p.459
新一がとくに才能に惚れ込んで目をかけている人。江坂遊。『あやしい遊園地』
p.464
新一の発想法は要素分解共鳴結合。
p.466
江坂氏の説明
殺戮と平和利用という対立した言葉の断片がある。これを分解してみる。殺戮からは戦争、武器、大量虐殺、原子爆弾。平和利用から、アインシュタイン。原子爆弾とアインシュタインではあたりまえすぎて、共鳴しない。
原子爆弾に対応するものとして線香花火を、アインシュタインに対応するものとして花火屋のおっさんをおいてみる。
線香花火の背後に原子爆弾。花火屋のおっさんがE=mc2を口にする意外性。

江坂はショートショートの発表の場がなく、携帯小説としてだしている。

p.468
新一はおもしろいと思った小説や映画、新聞の小さなコラム、小話があると、徹底的に暗記することを習慣づけていた。

p.521
時代に応じて作品に手を入れるのは手塚治虫も同様。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第1巻(4) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立 7階壁書架910.2ホ 市立910.268ホ

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