2010年12月2日木曜日

【雑誌】 中央公論 2010.6号

原田泰 ベーシックインカムが貧困を解決する
p.117
ミルトン・フリードマンは1960年代から「負の所得税」という形でベーシックインカムの発想を述べている。負の所得税とは、所得の低い人から政府が負の税金を徴収する、すわなち所得を給付するということであるから、ベーシックインカムになる。
 この発想は、1975年にアメリカで給付付き税額控除という形で実現した。ただし、所得のない人にベーシックインカムを与えるのではなくて、勤労所得が増大するにつれて給付額を増やすというものである。

佐藤優の新・帝国主義の時代
第16回
p.127
EUの紐帯は国連よりもはるかに強い。それは、古代の西ローマ帝国、中世の神聖ローマ帝国を通底する「コルプス・クリスチアヌム(corpus christianum、キリスト共同体)」という物語を持つからだ。この物語は、ユダヤ・キリスト教の一神教の伝統、ギリシャ古典哲学、ローマ法というそれぞれ出自の異にする原理が結びついている。
ちなみに、東ローマ(ビザンツ)帝国では、この三原理のうち、ローマ法に関する意識が希薄だ。EUの拡大は、ロシアには及ばない。それはロシアが東ローマ帝国の継承国家で、ローマ法という物語を欠いているからだ。...ロシアをEUに加えるためには、コルプス・クリスチアヌムとは別の統合原理が必要になる。それ故にEUはロシアまで拡大するという選択はとらないであろう。

BOOK REVIEW
p.227
角田房子 責任 ラバウルの将軍今村均
角田は、本間雅晴中将、甘粕正彦大尉、阿南大将について書いてきた。


■ 所在   ★★☆☆☆
  7F雑誌コーナー

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