初出は、中央公論社1977年。
主として、ユング派の解説となっているが、非常にわかりやすい。
普遍的深層
グレートマザー:肯定的な面と否定的な面の両面を持っている
元型:表象可能性を指す。グレートマザー、影、アニマ(アニムス)、事後、始源児、老賢者、英雄、トリックスターなど
影:夢分析の初期に現れる。
アニマ(アニムス):潜在的可能性としては両性具有生的であると考える。ヘッセはユング派の分析治療を2度受けている。第一期の終わった後にデミアンが書かれ、第二期が終わったのちに、荒野の狼が書かれたとされている。アニマとアニムスを言い換えれば、エロスとロゴスの両方の原理を身につけることが望ましい。
自己:心の中の中心としての自己。日本人兵士は戦争中は自己がを天皇に投影されていたが、捕虜になると、投影が壊れ、親切にしてくれた敵将にでも投影を向けたのではないか。
始源児、老賢者:自己のある側面をシンボルとして把握している。
マンダラ:自己の象徴。自己はすなわち世界であり、世界観を示すものでもある。
個性化の過程:自己実現の過程をそう呼ぶことが多い。他界への旅。共時性の原理(意味のある現象が同時におこる。)
言及図書
p.187 デボラの世界 グリーン:精神分裂病の少女の内界
p.236 初期の浦島太郎は亀姫と結婚
p.243 ホフマン 悪魔の美酒:影。傑作。ドストエフスキーの二重人格も素晴らしい
p.258 ヘッセ 荒野の狼:ヘルミーネ
参考文献
■ 書籍情報入手先 ★☆☆☆☆
『理系ワールド10冊』 第5番 竹内薫 2009.3
■ 所在
県立 8F人文科学140.8カ2-1 大学145.1Ka93
0 件のコメント:
コメントを投稿