2010年11月17日水曜日

【書籍】 フロイト 『モーセと一神教』 日本エディタースクール出版部 1998.12

モーセはユダヤ民族をつくった。モーセは、エジプト人であり、エジプトでアメンホーテプ4世だけが推し進めた一神教と割礼をユダヤ人に授け、ユダヤ民族を指導してきた。
しかし、ユダヤ人はモーセを殺害し、その罪の意識が民族の精神、宗教を高めた。
パウロは、ユダヤ民族に流れている父殺し(モーセ殺し)の贖罪の気持ちから、神の息子が殺されたという解釈でユダヤ民族を解放した。ここに、キリスト教が誕生した。

父殺しは何となく、サル山のボス交代に似ているな。また、岡本太郎の「伝統は破壊である」も思い出させる。
精神的リーダーを死刑にすることがかえって、その精神を広めてしまうことはよくある。イスラム原理主義しかし、吉田松陰しかり、北一輝しかりであろう。
天皇制も明治という時代とその精神が作りだしたものだ。日本人はいつできたのか?明治以降なのか。
江戸時代なのか。

この本はいろいろと考える契機となる。

■ 書籍情報入手先   ★★★★☆
  『松岡正剛の書棚』 第4巻(1) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立 8F人文科学193.2モ

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