もう89歳になる父について、姉が「国産品しか食べない。鮭だって、ロシア産は食べない。
バナナは台湾産だけ。」
この時、頭の中が「台湾産は国産?」となった。
その時、思い出したのが、大学時代に見た戦前の地図である。
日本と台湾、朝鮮半島などが真っ赤に塗られていて、異様な印象を受けた。
海を挟んで日本の領地だと、日本が異様に広いのである。海洋国家のような気がした。
その地図だが、授業で紹介された参考図書に付いていた。
大学の専攻は地質学だが、鉱床学(鉱山関係)の授業で、2冊紹介された。1冊は最近(当時)、もう1冊は戦前の本。
戦前の方は、神田の古本屋を回って、当時で5000円ほどだった。
もっとも、その2冊ともほとんど読まなかったから、研究生活が続かなかったのも無理はない。
研究室を去るとき、友達にあげた。
彼は、九州の某独立行政法人にいる。インターネットで検索すると、論文とか写真が出てくる。
昔、一緒に遊んだ思い出しかないので、いい大人になっているのが、あまりピンとこない。
おそらく、我々の世代では、どこまで日本の領海かすら怪しいと思うが、
父のように、戦前・戦後を生きてきた人間にとって、台湾とかサハリンとか、
また、別の意味を持つのだろうな。
もしかしたら、「バナナ最中」の醸し出すイメージも世代によって違うのかもしれない。
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