2013年8月7日水曜日

【書籍】 下斗米伸夫 『ロシアとソ連 歴史に消された者たち』 河出書房新社 2013.3


副題:古儀式派が変えた超大国の歴史
p.20 ロシア正教のニーコン主教は1652-58年、ギシシア風ビザンティン方式による宗教改革を主導した。象徴的なのは、二本指による十字印に代えて、三本指による十字印を導入。
これに抵抗したのが、古儀式派(ロシア風)
p.78 古儀式派は、繊維工業など19世紀はじめにかけて発展させ、ロシアにおける資本主義の発達を促した。
p.92 古儀式の宗教に内在した労働倫理が資本蓄積を促した。
p.141 ソビエトという組織の原形が、古儀式派の無司祭派のフェドセーエフ派のネットワークから出てきたという説がある。
革命後も古儀式は活躍したようだが、レーニンが後に宗教を切り捨てた。
p.233 レーニンは聖職者への銃殺指令を要請した。
p.280 エリツィンの祖は古儀式派とされ、ロシア主義を掲げてゴルバチョフに挑んだ。
p.286 プーチンは信仰を正教としか語っていないが、彼の古儀式派的な関連は確認できる。

なるほど、ソ連という仮想国の崩壊とロシア主義への回帰。
■ 書籍情報入手先   ★☆☆☆☆
  『新聞書評(2013.5-)』 2013.5.26 毎日 5.12 日経
■ 所 在
  県立

0 件のコメント: