2013年1月23日水曜日

【書籍】 原彬久 『岸信介 権勢の政治家』 岩波新書 1995.1


著者によると、岸信介へのインタビューが20数回に及ぶという。また、執筆の動機として、「妖怪」「巨魁」などの「岸象」だが、戦前・戦中・戦後を通して日本政治に巨大な足跡を残したことは否定できないことから、岸信介をと通して日本政治の本質を探るとしている。
内容としては、生い立ちに始まり、官僚としての仕事ぶり、政治家としての対応、首相退陣までを記載している。
p.238-239 岸は「織田信長が好きだ」という。岸は目的において「理想」主義者であり、方法において「現実」主義者である。理想を追いかけるその道程で編み出される岸の戦略と戦術は恐ろしく多彩であり怜悧であり、ときには悪徳の光を放つ。体内に理想とおどろおどろしい現実とを重層させ、執念と機略を共生させる岸であればこそ、彼への毀誉褒貶もまた闊歩する。

(参考)岸信介と満州・満鉄関係は、『満州と自民党』
■ 所在  ★☆☆☆☆
  7FS289.1キ 大学旧

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