何気なく手に取ったのだが、内容は筑波大学の情報学類の人事を巡る、学内政争。
東京教育大学が物理・体育がウリだったこともあり、情報学類の人事が物理屋の草刈り場となってしまった。
そのため、国際的に通用するソフトウェア科学の拠点としての情報系学科(国際A級学科)という構想(文部省も含め)が結局は潰えてしまった。
一番大きい原因は、国際A級の人材を確保できなかった(しなかった)ことにある。
実は筑波大学自然学類出身(3期生)なのだが、本書で記述されている「ヘルツ」のあだな位は聞いたことがある。
学者が国内で職場を確保するためには、こうした学内・学外の政争は大なり小なりあるはずで、学者も本当に大変だなと思った次第。
本書は敗者のルサンチマンなのだが、まさに記述されているほぼ同時期に同じキャンパスにいた者として、実に興味深く、なまなましく感じている。
あとがきによると、工学部ヒラノ教授の事件簿でこの原稿の一部を取り上げたところ、青土社の菱沼氏の目にとまり、フルバージョンを書いたとのこと。
■ 所在 ★☆☆☆☆
市立377コ
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