なかなかおもしろい本である。
最近、読書会ブームだが、江戸時代には会読(かいどく)という読書法があった。
当時、儒学の学習法として、素読の次に会読(輪講)が行われた。そこでは、参加者の講義に対し、疑義、質問の応酬がなされ、その役割が交代するものである。このような訓練の結果、実力が評価され、独善性を廃し、議論する力をつけていくものである。(ここでは、議論のための議論は行われない)
会読は教授法というよりは自学自習の学習法であり、これが、西洋教育(教授法)の導入により、失われてしまったのではないか。
後期水戸学の形成において、会読が果たした役割は大きい。江戸後期では、政治も会読の場で行われた(最も、藩校では禁止されていたらしいが)。また、水戸藩では藩主と藩士との間でも議論がおこなれたらしい。
■ 書籍情報入手先 ★☆☆☆☆
『新聞書評(2012.9 - 12)』 2012/11/18 読売新聞
■ 所在
県立 市立121マ
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