日本軍の参謀は現場経験もないのに、企画立案し、その上、現場の責任者に対し指図した。しかも、敗戦の責任は自分でとらない。
p.17- 明治の参謀本部では、あるべき指導者を引き出そうとした。その一部は「旧参謀本部編集」の「日本の戦史」シリーズ(徳間文庫)として刊行されている。
p.31 鴎外全集 第34巻で鴎外が翻訳したクラウゼヴィッツの戦争論(大戦学理、草稿では戦論)で読める。
p.45- 西南戦争での経験が、総大将は疎くても参謀さえしっかりしていれば戦には勝てるという日本型リーダーシップが方向づけられた
p.50- 日本海戦の正史は「極秘明治三十七八年海戦史」として残されていた。
p.63-帝国陸海軍の理想のリーダーは威厳と人徳を持つ人というである。
☆ なんだか西郷隆盛みたいだな。
p.86- 陸大では上から言われたことだけをするように教育された。堀栄三氏は、陸大時代、情報参謀の教育は皆無だったとしている(「大本営参謀の情報戦記」文春)
p.146- 2.26事件で銃殺刑を免れた将校5人の証言(「われらが遺言・50年目の2・26事件」文藝春秋 1986.3月号)警視庁占拠の400人以上の兵力のほんとうの狙いは宮城占拠。
p.153- リーダーの条件
最大の仕事は決断にあり
明確な目標を示せー部下との共有
焦点に位置せよー居場所を明らかに(?)
情報は確実に捉えよ
規格された理論にすがるなー成功体験をなぞったり(?)
部下には最大限の任務の遂行を求めよー仕事の方向性と明確な目的を示し、全力を傾けねばならぬか理解させ、納得させて指揮をとる。ついつい部下を小手先で使ってしまいがち
p.255 戦前日本にもあったリーダーたちの独善性と硬直性と不勉強と情報無視が、現在に通じているのではないかと思える。大本営陸海軍部は危機に際して「いま起きては困ることは起きるはずはない。いや、ゼッタイに起きない」と独断的に判断する通弊があった。
■ 書籍情報入手先 ★☆☆☆☆
『新聞書評(2012年総括)』 毎日新聞 28.持田叙子 31.養老孟司
■ 所在
県立 7FS392.1ハ 市立392ハ
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