2013年4月4日木曜日

【書籍】 猪瀬直樹 『ピカレスク 太宰治伝』 小学館 2000.11


あとがきで、「死のうとする太宰治ではなく、生きようとする太宰治を描きたかった」とある。
これは、極めて面白い本である。太宰治の人間性に焦点を当ててもいるが、同時に、当時の文壇の状況(文士の生態というべきか)もよくわかる。
でもまあ、井伏鱒二も太宰治も、他人の日記とか、他人の資料を元に、小説を書いている。
これは、ある意味で創作(?)の秘密(機微?)みたいなものだと思う。
石田衣良の約束を読んだ時に強く感じたことだが、フィクション上の事実・事態に依存しすぎる小説にはかえって違和感を覚えてしまうのである。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『怖い本と楽しい本』 2000年(この3冊) 4.大岡玲
  『『鹿島茂の書評大全 和物篇』 1.人物を深く知る 伝記
  『新聞書評(2012.9-12)』 2012/12/23 毎日新聞(この3冊 近代日本のスキャンダル)
■ 所在
  県立 8F郷土A910.2タ 市立 大学太宰913.6D49

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