2010年12月28日火曜日

【書籍】 落合浩太郎 『CIA 失敗の研究』 文春新書 2005.6

CIAの1990年代以降の状况は他省庁との縄張り争い、傍聴活動に無知な上司の政治任命など、政治的に翻弄され、CIA職員の士気低下など、多くの失敗を重ねてきたところである。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『佐藤優選・文庫&新書百冊』 第43番 2009.10
■ 所在
  7FS391.6オ

2010年12月25日土曜日

【書籍】 ドストエフスキー 『カラマーゾフの兄弟』(全5巻) 光文社文庫 2006.9

父親殺しという宗教的なテーマ。無神論の問題など。亀山郁夫氏は一気に読み通せる訳を目指しただけあって、読みやすい。
各巻の巻末には読書ガイド、第5巻目には、ドフトエフスキーの生涯の解説及び作品の解題が載せられている。
ロシアの風土には宗教がふさわしい。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第4巻(2) 中央公論新社 2010.7
  『功利主義者の読書術』 4.「交渉の達人」になるための参考書 佐藤優 新潮社 2009.7
  『佐藤優選の100冊』第74番 『21世紀図書館 必読の教養書200冊』 文藝春秋 2008.12
■ 所在
  県立(光文社'06) 7FB983ト1(光文社) 市立移動図書館車 大学983.D88(光文社)

2010年12月19日日曜日

【書籍】 山口昌男 「敗者」の精神史 岩波書店 1995.7

旧幕臣など、明治時代における在野の知識人たち。それを「敗者」と名付けている。
学会、大学ではない、知の系譜。趣味人、風流というべきか。
やはり、交流関係が知の系譜を捉える上で重要であることがわかる。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第5巻(3) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立 8F人文科学210.6ヤ 市立書庫 大学210.6.Y24

2010年12月18日土曜日

【書籍】 シオラン 『涙と聖者』 紀伊國屋書店 1990.1

無宗教なので神の問題はわかりにくいが、聖なるものと捉えると、ロシアだったり、スペインに言及がなされているのも頷ける。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第4巻(2) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立 大学旧新139.C72

2010年12月15日水曜日

【書籍】 アラン・ケイ 『アラン・ケイ』 アスキー 1992.3

アラン・ケイの論文集。30年前の論文ながら、そこに盛られたアイデア、子どもが示したコンピュータ・リトラシーの高さにただびっくりする。実に刺激的。そういえば、smalltalkやその子孫はどうなったか?
実現されていないのが、エージェント機能。今の検索だとやはり不満が残る。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第3巻(3) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立

2010年12月14日火曜日

【書籍】 市村弘正、杉田敦 『社会の喪失 現代社会をめぐる対話』 中公新書 2005.9

社会学者市村教授と政治学者杉田教授の対話など。社会学者は問題の捉え方がナイーブすぎる感じがする。
政治学者は制度論なども考えており、おもしろい分野だな。
国家が解体すれば、民間企業が代わるとしており、アタリの21世紀の歴史に出てくるような話もある。
本を読んでいるのが前提みたいな対話はどうなのか?

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『新書365冊』第7章 社会・会社 Best & Better 宮崎哲弥 2006.10
■ 所在
  7FS304イ 市立304イ

【書籍】 カッセルほか 『原典 ユダの福音書』 日経ナショナルジオグラフィック社 2006.6

グノーシス派の聖書。2000年の間失われていたもの。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  「立花隆選の100冊」第42番 2008.12
  「立花隆血肉500冊」 2007.1
■ 所在
  8F人文139.9ケ 市立193ゲ

【書籍】 幸田露伴 『道教に就いて』(露伴全集第18巻) 岩波書店 1949.10

道教の成立などについて。第2版1979.1を読了。

■ 所在   ★★☆☆☆
  8F壁918.6コ

【書籍】 幸田露伴 『墨子』(露伴全集第18巻) 岩波書店 1949.10

墨子の思想そのものではなく、周辺情報。第2版1979.1を読了。

■ 所在   ★★☆☆☆
  8F壁918.6コ

2010年12月12日日曜日

【書籍】 宮崎滔天 『三十三年の夢』 岩波文庫 1993.5

孫文とも交流のあった大陸浪人。
生活に困窮して浪曲師ともなる。
話の内容は、結局は漫談だが、当時の雰囲気が感じられるものとなっている。
解説によると、この本が中国語に翻訳され、そのため、彼の地で逆に孫文の名も広まったらしい。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第5巻(2) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立('82) 8階書庫(名著'84) 市立書庫'98 大学旧(岩波'93)

【書籍】 佐藤文隆 『宇宙物理への道』 岩波ジュニア新書 2002.3

宇宙物理学者佐藤文彦の自伝。研究者との交流など。
大学で自主勉強(グループ)が研究者として役立ったとしている。
また、研究絡みから友人となり、そのまた、友人で研究が絡むなど、他人との交流。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第2巻(1) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立 6F知るY244 市立081イ394

【書籍】 ジャック・アタリ 『21世紀の歴史』 作品社 2008.8

Une breve histowire de l'avenir (Jacques Attali)
極めて刺激的な本。じっくり原書(フランス語)で読みたくなる。
日本のような小さな国家は、まさにこのような観点から政治を行っていく必要があろう。

サルコジ大統領の命によりアタリ政策委員会が結成され、6ヶ月にわたる議論の内容は、300 decisions pour changer la France (未邦訳)として出版されたらしい。

(主な著作)
カニバリスムの秩序
時間の歴史
所有の歴史
アンチ・エコノミクス
21世紀事典
ノイズ 音楽・貨幣・雑音

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第3巻(3) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立 市立304ア 

2010年12月8日水曜日

【書籍】 ピーター・F・ドラッカー 『ドラッカー最後の言葉』 講談社BIZ 2010.7

ドラッカーがジャーナリストの大野和基氏に2005年7月に語ったインタビューである。
なお、本書は、2006年1月に刊行した『ドラッカーの遺言』を再編集したもの。
非常にコンパクトにまとめられており、おすすめしたい。
迷わず購入。

■ 所在   ★★★☆☆
  8F304ト

【雑誌】 新潮45 2010.11号

独占手記 中川一郎先生の名誉のために 今、初めて明かす「自殺の原因」 鈴木宗男

特集 知られざる白洲次郎 特別付録 秘蔵映像

■ 所在   ★★☆☆☆
  7F雑誌コーナー

【書籍】 青木皐 『人体常在菌のはなし 美人は菌でつくられる』 集英社新書 2004.9

風呂に入っても、体を石鹸でゴシゴシ擦ってはいけない。
体臭のする大事な部分のみあらえばよい。
ヨーグルトは食後にオリゴ糖(バナナなど)と一緒に。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  「立花隆選・文庫&新書百冊」 第77番 『ぼくらの頭脳の鍛え方』 2009.10
  『いまどきの新書』 第5章 暮らし(6) 永江朗 2004.12
■ 所在
  7FS491.7ア

2010年12月7日火曜日

【雑誌】 現代思想 2010.9号 青土社

特集 現代思想の思考法

p.66 黒川信重 絶対数学の発見
絶対数学はよくわからないな。
(資料)
黒川信重・小山信也 絶対数学 日本評論社 2010.9
黒川信重・小山信也 リーマン予想のこれまでとこれから 日本評論社 2009.12
黒川信重 リーマン予想の150年 岩波書店 2009.11
黒川信重・小島寛之 リーマン予想は解決するのか?絶対数学の戦略 青土社 2009.6
黒川信重・若山正人 絶対カシミール元 岩波書店 2002
黒川信重 数学の夢:素数からのひろがり 岩波書店 1998: オイラー・リーマン・ラマヌジャン:時空を超えた数学者の接点 岩波書店 2006
■ 所在   ★★☆☆☆
  7F雑誌コーナー

【書籍】 伊藤亜紀 『電子マネー革命 キャッシュレス社会の現実と希望』 講談社現代新書 2010.11

p.35
デビットカードは、銀行のキャッシュレスカードそのものを使うサービスであり、万一の紛失・盗難のさいには、口座残高の全額が危険にさらされる。...(通称:預金者保護法)..では、偽造や盗難カードによる預金の不正引出しについて金融機関が補償するとされているが、デビットカードの不正利用は対象外だ。規約上、被害補償が約束されていないケースもある。

p.77
資金決済法では、従来のプリカ型電子マネーに加えて、新たにサーバー管理型も含めている。(要約)

p.107
ビッグカメラのビッグポイントとSuicaの交換比率が2009.1月に変更され、ポイントの価値は3分の2に減った。(要約)

p.160-161
PayPalの親会社はeBay。

■ 所在   ★★☆☆☆
  7FS338イ

【書籍】 鈴木健一 『風流 江戸の蕎麦 食う、描く、詠む』 中公新書 2010.9

江戸の蕎麦についての基本書。参考文献も載せている。
でも、なぜ西がうどんで、東が蕎麦なのか?

■ 所在   ★★☆☆☆
  7FS383.8ス 市立383ス 大学2074

【書籍】 潮木守一 『世界の大学危機』 中公新書 2004.9

イギリス、ドイツ、フランス、アメリカの大学の歴史と最近の状況についてコンパクトにまとめられている。
巻末には参考文献もあり、基本書と思う。
非常に参考になる。

もともとは、桜美林大学大学院の大学アドミニストレーション課程の通信課程用のテキスト。
電子書籍 www.paburi.com ドイツ近代科学を支えた官僚

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『新書365冊』 第8章 若者・教育 Best & Better 宮崎哲弥 2006.10
■ 所在
  7FS377.2ウ 市立377ウ 大学377.2.U94

【書籍】 潮木守一 『世界の大学危機』 中公新書 2004.9

【書籍】 高橋貞樹 『被差別部落一千年史』 岩波文庫 1992.12

著者19歳のときの作品であり、20歳のときが『世界の資本主義戦』という。ただし、いわゆる転向者で、短命であったため、戦後はあまり知られていなかったという。
著者の立場は当時に日本人論を反映してか、部落民(被差別民)を被征服民であり、別人種としている。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  『佐藤優選・文庫&新書百冊』 第63番 2009.10
■ 所在
  大学旧080.3.3468

2010年12月3日金曜日

【書籍】 山脇直司 『公共哲学とは何か』 ちくま新書 2004.5

公共哲学の思想の系譜についてコンパクトにまとめられている。
詳しい参考文献もある。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『新書365冊』 第5章 法と自由 More 宮崎哲弥 2006.10
■ 所在
  県立

【書籍】 横手慎二 『日露戦争史 20世紀最初の大国間戦争』 中公新書 2005.4

元外務省調査員による。ロシア側の資料も踏まえ、日露両方の外交交渉という視点から記述されている。
基本文献と思う。(参考文献あり)

日露戦争の記憶はロシア側にあるということらしい。対ロシア戦略を考えるときには、忘れてはいけない視点であろう。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『佐藤優選・文庫&新書百冊』 第30番 2009.10
■ 所在
  7FS210.6ヨ 市立210.6ヨ

2010年12月2日木曜日

【書籍】 米光一成、小沢高広ほか 『誰でも作れる電子書籍 今すぐできる制作から販売まで』 インプレスジャパン 2010.8

電子書籍を作って、売ってみよう。

■ 所在   ★☆☆☆☆
  8F023タ

【書籍】 茂木健一郎 『未来を変える議論をしよう』 ポブラ社 2010.6

議論でつながることで自分を変革。それが社会の変革につながる。

■ 所在   ★★☆☆☆
  8F809.6モ

【雑誌】 中央公論 2010.6号

原田泰 ベーシックインカムが貧困を解決する
p.117
ミルトン・フリードマンは1960年代から「負の所得税」という形でベーシックインカムの発想を述べている。負の所得税とは、所得の低い人から政府が負の税金を徴収する、すわなち所得を給付するということであるから、ベーシックインカムになる。
 この発想は、1975年にアメリカで給付付き税額控除という形で実現した。ただし、所得のない人にベーシックインカムを与えるのではなくて、勤労所得が増大するにつれて給付額を増やすというものである。

佐藤優の新・帝国主義の時代
第16回
p.127
EUの紐帯は国連よりもはるかに強い。それは、古代の西ローマ帝国、中世の神聖ローマ帝国を通底する「コルプス・クリスチアヌム(corpus christianum、キリスト共同体)」という物語を持つからだ。この物語は、ユダヤ・キリスト教の一神教の伝統、ギリシャ古典哲学、ローマ法というそれぞれ出自の異にする原理が結びついている。
ちなみに、東ローマ(ビザンツ)帝国では、この三原理のうち、ローマ法に関する意識が希薄だ。EUの拡大は、ロシアには及ばない。それはロシアが東ローマ帝国の継承国家で、ローマ法という物語を欠いているからだ。...ロシアをEUに加えるためには、コルプス・クリスチアヌムとは別の統合原理が必要になる。それ故にEUはロシアまで拡大するという選択はとらないであろう。

BOOK REVIEW
p.227
角田房子 責任 ラバウルの将軍今村均
角田は、本間雅晴中将、甘粕正彦大尉、阿南大将について書いてきた。


■ 所在   ★★☆☆☆
  7F雑誌コーナー

【書籍】 福岡伸一 『もう牛を食べても安心か』 文春新書 2004.12

生命の動的平衡を明らかにしたシェーンハイマー
(参考文献:生体の動態 納谷書店 1955)

p.140
記憶は信号の流路パターンである。

☆ノーベル賞をもらったプリオン説だが、未だ、科学的には証明されていないようである。
■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『新書365冊』 第10章 生きる・死ぬ Best & Better 宮崎哲弥 2006.10
■ 所在
  県立

【書籍】 田中淳夫 『日本の森はなぜ危機なのか』 平凡社新書 2002.3

筆者は林学科出身のフリーランスの森林ジャーナリスト。

p.10
実家が林業の後輩から
「先輩はいいですね。林業が苦しくなっても、よくなっても、それを記事にすればいいんですから」

本書での事例は、間伐せず、焼畑、牛の放牧でも林業が成り立つことを示している。
日本の林業は、要は手間をかけすぎ、高コスト体質であることが示されている。

木材は商品にするためには、国際的認証(FSC)の認定を受けたり、品揃えが可能な形にしたりする必要がある。

(参考文献あり)

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『いまどきの新書』 第2章 ビジネス、経済(9) 永江朗 2004.12
■ 所在
  県立

2010年12月1日水曜日

【書籍】 最相葉月 『星新一 一〇〇一話をつくった人』 新潮社 2007.3

p.283
新一自ら短編の創作方法を考察した「短編をどう書くか」(福島正実編『SF入門』所収)という随筆がある。
アイザック・アシモフの『空想天文学入門』に、アシモフの3つの方法が挙げられていた。
・知識の断片をできるだけ多く広くバラエティに富んでそなえていること
・その断片を手ぎわよく組み合せ、検討してみること
・その組み合わせの結果をどうなるかをすぐに見透かしてみること

p.286
プロットを作るには、「小話を覚えてみたらいい」
p.459
新一がとくに才能に惚れ込んで目をかけている人。江坂遊。『あやしい遊園地』
p.464
新一の発想法は要素分解共鳴結合。
p.466
江坂氏の説明
殺戮と平和利用という対立した言葉の断片がある。これを分解してみる。殺戮からは戦争、武器、大量虐殺、原子爆弾。平和利用から、アインシュタイン。原子爆弾とアインシュタインではあたりまえすぎて、共鳴しない。
原子爆弾に対応するものとして線香花火を、アインシュタインに対応するものとして花火屋のおっさんをおいてみる。
線香花火の背後に原子爆弾。花火屋のおっさんがE=mc2を口にする意外性。

江坂はショートショートの発表の場がなく、携帯小説としてだしている。

p.468
新一はおもしろいと思った小説や映画、新聞の小さなコラム、小話があると、徹底的に暗記することを習慣づけていた。

p.521
時代に応じて作品に手を入れるのは手塚治虫も同様。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『松岡正剛の書棚』 第1巻(4) 中央公論新社 2010.7
■ 所在
  県立 7階壁書架910.2ホ 市立910.268ホ