2008年11月30日日曜日

【書籍】 山本周五郎 『さぶ』 山本周五郎全集第16巻 新潮社 1981.12

「さぶ」というのは少し鈍いが、誠実な、友達思いである。
ただ、この小説は友情物語ではない。人間が辛い目に会って、人として成長する話とでもいおうか。
中学生がこんなを読んでわかるのかな?

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編) 第57番
  久我山中学校文庫の100冊(日本文学) 第96番
  久我山高校文庫の100冊(日本文学) 第95番
  富山県 すすめたい100冊の本(中学校編) 第29番
  椙山女学園高等学校100冊の本 第61番
■ 所在
  市民図書館 7F書庫
  市立図書館

【書籍】 森達也 『悪役レスラーは笑う 「卑劣なジャップ」グレート東郷』 岩波新書 2005.11

戦後、アメリカプロレス界でヒール役を演じていた自称日系レスラー、グレート東郷についてのノンフィクションである。出自や死亡後の家族の所在が不明など、謎に満ちたレスラーであったが、財産はかなりあったようである。取材の過程で、朝鮮出身であることが明らかになる。
力道山より世代が上。

■ 書籍情報入手先
  北海道教職員による新入生への推薦図書(2008.春) 第92番
■ 所在
 市民図書館 7FS788.27
 市立図書館 788モ

【書籍】 水上勉 『ブンナよ、木からおりてこい』 三蛙房 1980.2

ブンナとは、釈迦の弟子の一人の名にちなんでつけられた蛙の名前である。蛙はこの世で最も弱いものの象徴という。
最近はあまり聞かないが弱肉強食、殺生など、この世のあり様がテーマである。水上童話もいいもんだと思う。

■ 書籍情報入手先
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第57番
  敬和学園大学 敬和100冊の本(2008年度) 第11番
■ 所在
  市民図書館 7F児・文Jミ
  市立図書館 書庫

【書籍】 小島寛之 『文系のための数学教室』 講談社現代新書 2004.10

数学科出身の経済学である筆者が書いた最先端の数学の本。
でも、数式がない分、かえってすーっと理解しにくくなっている。

■ 所在
 市立図書館 410コ

2008年11月29日土曜日

【書籍】 スチュアート・カウフマン 『自己組織化と進化の論理』 日本経済新聞社 1999.9

生物の進化には自己組織化と競争原理が必要としている。
原著は AT HOME IN THE UNIVERSE The Serach for Laws of Self-Organization and Complextiy by Suart Kauffman

The Hitchhiker's Guide to the Galaxy(ペレルソン)
エミール・ポスト チャーチルのラムダ文法と同じ時期に、同じ普遍的計算を考案

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第71番 ジャック・モノー『偶然と必然』関連本
■ 所在
  大学図書館 461.Ka89

【書籍】 阿部謹也 『ハーメルンの笛吹き男』 平凡社 1974.10

ドイツのハーメルンで子どもたちが笛吹男あるいは鼠取り男に連れ去られたというドイツの伝説である。
歴史的には1284年6月26日に130人の子どもが行方不明になったことはどうやら歴史的事実であるらしい。
ではなぜ子どもたちが消えたのか。東ドイツへ植民にいったのではないかという説を中心に中世ドイツの社会的状況を説明していく。
久しぶりにおもしろい本です。
大学生向け推薦図書に見あたらないのが不思議なくらいです。

(参考文献)『ドイツ中世後期の世界』(未来社)

■ 書籍情報入手先
  『自分のなかに歴史をよむ』  阿部謹也 主要著書

■ 所在
 大学図書館 388.3A12

【書籍】 ハンス・ペーター・リヒター 『あのころはフリードリヒがいた』 岩波少年文庫 1977.9

第1次世界大戦後のドイツにおけるユダヤ人迫害がテーマ。
ユダヤ人の少年フリードリヒ一家への迫害が描かれている。
筆者は社会心理学者。

■ 中学高校等・分野別推薦図書
  小説(外国)マ行、ヤ行、ラ行、ワ行  中学高校等の分類トップページ
  三省堂 中学生にすすめたい100冊の本 第1番  【同読書リスト】
■ 所在
  市民図書館 7F児・文学J94リ
  

【書籍】 開高健 『裸の王様』 文藝春秋 1958.3

作品としては、裸の王様、パニック、巨人と玩具、なまけもの
どれも、日本人の心性に焦点を当てているように思える。
長いものには巻かれろなど。
だけど、どの話もそういう人としての苦労(?)とは関係のないところで話が結末を迎える。
どんでん返しがある。ここにほろ苦い、気持ちよさを感じる。

■ 書籍情報入手先
  久我山中学校文庫の100冊(日本文学)第41番
■ 所在
 市民図書館 9F

【書籍】 阿部謹也 『学問と「世間」』 岩波新書 2001.6

日本では、学問、大学の現場においても、行動、意識の規範として「世間」が重んじられている。
「世間」を変えるには「世間」を知るべし。

■ 書籍情報入手先
  『自分のなかに歴史をよむ』  阿部謹也 著書
  久我山高校 新書の100冊 第3番
■ 所在
 市民図書館 7FS002ア

2008年11月28日金曜日

【書籍】 小川洋子 『博士の愛した数式』 新潮社 2003.8

記憶が80分しかもたない数学者のところに家政婦として息子と一緒に通っていた話。
数学者が勧める本の中でも結構推薦されている。

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編) 第67番
■ 所在
  市民図書館 7F日本文学オカ
  市立図書館 916グ

2008年11月27日木曜日

【書籍】 数学書房編集部編 『この数学書がおもしろい』 数学書房 2006.4

■ 【推薦図書リスト】   
■ 書籍情報入手先
  京都大学新入生に薦める50冊の本(2007.4) 第19番
■ 所在
  市民図書館 8F自然科学410コ

【書籍】 吉野源三郎 『君たちはどう生きるか』 ポプラ社 2000.7

ジュニア版吉野源三郎全集の第1巻。オリジナルは、1937.7に刊行。(『日本小国民文庫』16巻の最終巻)。当時は国際的にも軍国主義が跋扈している時代であり、その時代に子どもたちに向けたメッセージである。
主人公はコペル君。コペルニクスからとった。少年が世の中を見つめ、学校のことで悩み、成長していくさまが描かれている。けっして、古さを感じさせない。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8) 第1番
  市川学園100冊の本(中学校編) 第1番
  三省堂 中学生にすすめたい100冊の本 第39番
  椙山女学園中学校100冊の本(平成19年度)第3番
  富山県 すすめたい100冊の本(高等学校編) 第66番
■ 所在
  市民図書館 7F児・心 J15ヨ
  市立図書館 J159ヨ

【書籍】 柳田邦男 『空白の天気図』 新潮社 1975.9

原爆の被害に襲われた広島で昭和20年9月17日、枕崎台風に襲われた。死者2012名と言われる。
当時、気象台へは情報がきちんと入らない状況であり、それにもかかわらず気象台の職員の奮闘が感動的。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第14番
■ 所在
  市民図書館 9F
  市立図書館 書庫

【書籍】 ウィル・デューラント 『誰が文明を創ったか』 PHP研究所 2004.10.6

原著 HEROES OF HISTORY - A Brief History of Civilization from Ancient Times to the Dawn of the Modern Age by Will Durant(1885-1981)
Durantの主著は The Story of Civilization The Story of Philosophy

英雄に焦点を当てた世界の歴史である。短すぎて、わかったような、わからいような。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第7番
■ 所在
  県立図書館

2008年11月26日水曜日

【書籍】 徳永貴久監修 『どんどん目が良くなるマジカル・アイ』 宝島社 2002.6

目が痛いのでためしてみたい。

■ 所在
 市民図書館 6F楽しむ Y78

【書籍】 川北稔 『砂糖の歴史』 岩波ジュニア新書 1996.7

砂糖という世界商品をテーマに、世界の歴史をたどる。
カリブ海でのアフリカ奴隷による砂糖プランテーション。紅茶と砂糖の出逢い。
チョコレートなど。

■ 書籍情報入手先
  久我山高校 新書の100冊第54番 
■ 所在
  市民図書館 6F知るY29

【書籍】 茨木のり子 『詩のこころを読む』 岩波ジュニア新書 1979.10

手に取ったものは、1999.10で第50刷。ずいぶん売れているんだな。
この中で好きなのは、
工藤直子『昭和三十七年-昭和四十七年』に収められている「てつがくのらいおん」

■ 書籍情報入手先
  久我山高校 新書の100冊第46番 
■ 所在
  市民図書館 6F知るY29

【書籍】 オグ・マンディーノ 『十二番目の天使』 求龍堂 2001.4

著者は米国の人生哲学書作家。
ストーリー:妻と息子を交通事故で失い、自殺しようとしてが、知人から子ども野球の監督を頼まれた。そこで、チビの子どもに出会ったが、息子そっくりで、生きる希望を見いだした。しかし、その子も実は脳腫瘍でシーズンすぎたら、passed away.

でも、疑問。いくら最愛でも妻と息子をなくしたら、自殺するか?また、米国のセールスマンは自己啓発書を読むことが書いてある。
確かに、涙涙のストーリーではあるが、ちょっと、作りすぎでは?

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第100番
  富山県 すすめたい100冊の本(高等学校編) 第27番
■ 所在
  市民図書館 7F外国文学 933マ
市立図書館 J933マ

【書籍】 ドナルド・ジョハンスン、ジェイムズ・シュリ-ヴ 『ルーシーの子供たち』 早川書房 1993.11

エチオピアで最古の人類「ルーシー」(300万年前)の化石は発掘したジョハンスンが今度はタンザニアで180万年前の女性骨格を発見した。本書は発掘の一部始終についてである。

 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第25番 
■ 所在
  市民図書館 8F自然科学 469.2シ
  

【書籍】 桜井哲夫 『<自己責任>とは何か』 講談社現代新書 1998.5

著者は1949年生まれ。東京経済大学教授。近・現代社会史、現代社会論専攻。
「責任」について、明治以降における日本、外国でどうとられているか。
内容は責任にまつわる様々なテーマであり、各種文献のダイジェストとなっている。
こういうのを読むと、科学として、こういうテーマを扱えなければ、小説を読むのとどこが違うのかわからなくなってしまう。

■ 書籍情報入手先
  社会学をつかむ 有斐閣 2008.7 unit6 集団・組織 推薦図書
■ 所在
  市民図書館 7FS302.1サ

【書籍】 桐山圭一 『内部告発が社会を変える』 岩波ブックレット 2008.3

筆者は1959年生まれ。東京新聞論説委員・ノンフィクション作家。
公益通報、いわゆる内部告発者が告発後、組織や業界から報復を受けているさまを記述。その上で、公益通報者保護法の問題点として、保護される場合のハードルの高さを指摘している。
こういう事例を見ていると、マスコミに匿名で通報するのが賢明であることがわかる。

参考文献として
通報者のための公益通報ハンドブック

■ 所在
 議会図書室 300

2008年11月25日火曜日

樋渡啓祐 『「力強い」地方づくりのための、あえて「力弱い」戦略論』 ベネッセコーポレーション 2008.2

佐賀県武雄市長による自治体戦略論、首長論である。
なかなかおもしろい。
こまわりの効く組織はいいな。そうあらねば、と思う。

共感を覚えたのは、
仕事+趣味→とんでもないもの。

写真は構図であり、いい絵画を見ることで磨かれるとのこと。
確かにブログを見ると、結構、いいものが多いなあ。

■ 所在
 議会図書室 318

『定常型社会 新しい「豊かさ」の構想』 広井良典(岩波新書, 2001.6)

これからの社会では環境制約等があり、従来の成長志向は望めない。
従って、物質の消費はのばさないが、消費内容は変化させる。生活の意識に時間を大事にする。などなど。
ただ、経済学者の議論(特に時間論)は抽象的で具体性がない。もっと、モデルを構築して定量的に分析すべきであろう。説得力がない。
ただ、成長が望めないのは明らかだし、環境志向しなければ、地球上で生存できないのも明らかである。
価格から価値への転換が必要であろう。
やはり、未来からの提言が最も重要である。

■ 書籍情報入手先
  京都大学新入生に薦める50冊の本(2007.4) 第30番
■ 所在
  市立図書館 364ヒ(書庫)

2008年11月24日月曜日

【書籍】 『短編小説を読もう』 阿刀田高(岩波ジュニア新書, 2005.12)

■ 【推薦図書リスト】
■ 書籍情報入手先   ★☆☆☆☆
  『新書365冊』 第6章 歴史・文学・ことば More 宮崎哲弥 2006.10
■ 所在
 県立図書館

【書籍】 宇沢弘文 『社会的共通資本』 岩波新書 2000.11

社会を支える共通資本(自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本)について、国が手当をしなければいけないという立場。

■ 書籍情報入手先
  京都大学新入生に薦める50冊の本(2007.4) 第29番
■ 所在
  市立図書館 343ウ(書庫)

【書籍】 大村敦志 『父と娘の法入門』 岩波ジュニア新書 2005.10

フランスでは「娘に語る~」「息子に語る~」シリーズ(スイユ社刊)が好評であり、それに由来するという。これで、法を理解せよというのは無理だが、日常生活に至るところに法が関わっていることが理解できればいいのであろう。

■ 書籍情報入手先
  宮崎哲弥『新書365冊』朝日新書 2006.10 第5章法と自由 推薦本(best)
■ 所在
  市立民図書館 081イ519

【書籍】 E・シャルガフ 『ヘラクレイトスの火』 岩波書店 1980.9

ウィーン生まれの生化学者の回想録である。
原子力と遺伝子操作について、ヘラクレイトスの火と同じで、人類が触ってはいけない領域ではないかとしている。また、アメリカの大学の研究が資金がかかるものとなり、汲々している様にも危惧を持っている。
つまり、自然を分析の対象とする傾向を進んでいけば、自然を敬う心が薄くなるということであろう。
しかし、そのことは、ニュートン以降、科学が内包している傾向なのではないか。
だから、科学の倫理観が問われると思う。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第49番
■ 所在
  大学図書館 新書庫 289.3 C34

【書籍】 北村薫 『スキップ』 新潮社 1995.8

高校2年の女子高生がある日、突然、25歳年をとって、夫も娘(高校2年)もいる世界にスキップしてしまう。半分読んだらあきた。もう読めない。
光村図書推薦の本は、大人にはおもしろくないものが多い。

■ 書籍情報入手先
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第29番
■ 所在
  市民図書館 7FBキタ
  市立図書館 書庫

【書籍】 江國香織 『つめたいよるに』 理論社 1989.8

犬の思い出を語るデューク。江國香織の小説はさわやかな風が通りすぎるようだ。

■ 書籍情報入手先
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第41番
  三省堂 中学生にすすめたい100冊の本 第18番
  久我山中学校文庫の100冊(日本文学)第41番
■ 所在
  市民図書館 7FBエク
  市立図書館 書庫

2008年11月23日日曜日

【書籍】 中津攸子 『かぐや姫と古代史の謎』 新人物往来社

竹取物語は史実を元にして書かれたのではないかとする説。
筆者は、滅ぼされた葛城王朝の娘がモデルであり、当時の公家とおぼしき人を出しているとしている。
なかなかおもしろい本である。

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第10番 
■ 所在
  県立図書館

【書籍】 カール・R・ポパー、コンラート・ローレンツ 『未来は開かれている』 思索社 1986.11

ポパーとの対話集。
人間は、能動的に世界に働きかけ、誤謬を正していく。しかも、言葉によって。
未来は開かれているのだ。

また、ニュートンの理論は証明できない。カントは、ニュートンの理論の正しさを証明しようとしていることが間違っている。だから、わかりにくい。ヘーゲルは思わせぶりだ。これがマルクスへと引き継がれていく。

■ 書籍情報入手先
  小河原誠『ポパー:批判的合理主義』講談社 1997.3 読書案内 推薦図書 3/9
■ 所在
  県立図書館

【書籍】 阿部謹也 『自分のなかに歴史をよむ』 筑摩書房 1988.3

歴史学者 阿部謹也の自伝と学問の思い出。なかなかいい本である。
中学生にも勧めたい。

主な著作
ハーメルンの笛吹き男
中世賤民の宇宙
学問と世間 岩波新書
日本人の歴史意識 岩波書店
『ドイツ中世後期の世界』(未来社)

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第6番
  京都文教大学の100冊第84番
■ 所在
  市立図書館 書庫

【書籍】 永井愛 『ら抜きの殺意』 而立書房 1998.2

最近の日本語の乱れに怒りを感じる著者の作。
著者は1951年東京都生まれ。劇団二兎社主宰。
楽しめるが、深みはない。(こども向き)

■ 書籍情報入手先
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第71番
■ 所在
  市民図書館 書庫
  市立図書館 書庫

【書籍】 ロラン・バルト 『神話作用』 現代思潮社 1967.7

いわゆるメタ言語についての本。メタ言語を神話と表現している。それは、表面的な物言いの陰に別のことを指し示しているからである。
ただ、雑誌などの記事も、プチブル的世界、すなわち、資本主義を反映していると、繰り返し述べている。
こういう上から目線がきらいなんだな。

■ 書籍情報入手先
  知的複眼思考法 推薦図書 7/10

■ 所在
  大学図書館 書庫

【書籍】 大野乾 『生命の誕生と進化』 東京大学出版会 1988.7

進化は遺伝子重複による、生物はコピーと重複である。

同じ著者によるものとしては、
大いなる仮説
未完先祖物語(羊土社, 2000)

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第61番

■ 所在
  大学図書館 467.2 O67

2008年11月22日土曜日

【書籍】 田口晃 『ウィーン 都市の近代』 岩波新書 2008.10

筆者は1981~1983にかけてウィーンに2年間留学したという。
ちなみに、私は1986~1987にかけてウィーンの国連専門機関に在職していた。
歴史としては、まとまっているのだが、生きたウィーン、ウィーン子のルーズなところが感じられない。

■ 所在
 市立図書館 234タ

【書籍】 小林康夫、船曳健夫(編) 『新・知の技法』 東京大学出版会 1998.4

「知の技法」から、4年目の続編である。この間、知の論理、知のモラルが出版された。はじめによると、「知の技法」は98年1月現在で3作の総販売部数は70万部に達するという。

■ 所在
 市民図書館 9F
 市立図書館 書庫

【書籍】 茨木のり子 『倚りかからず』 筑摩書房 1999.10

倚りかからず

もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあいの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第69番 
■ 所在
  市立図書館 書庫

【書籍】 大岡昇平 『野火』 新潮文庫  1954.4

作者は戦争に行ったが、レイテ島には行っていないらしい。従軍者に対する取材を行ったらしい。
極限状態における人間の精神の思考実験。戦争小説などではない。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第11番
  久我山中学校文庫の100冊(日本文学)第20番
  久我山高校文庫の100冊(日本文学) 第23番
  松岡正剛の千夜千冊 第960夜

■ 所在
  市民図書館 7B文庫オオ

【書籍】 ジャック・モノー 『偶然と必然』 みすず書房 1972.10

フランスのノーベル賞受賞の分子生物学者。
生命についての考察。
生命は合目的性と複製における不変性とする。モノーの立場は生命は偶然であるとする。
下記の本によると、モノーに対する批判として、
ソープ『生命=偶然を超えるもの』海鳴社1978/1978
スコフェルニ『アンチ・チャンス』みすず書房, 1973/1984
があり、
カウフマン『自己組織化と進化の論理』(日本経済新聞社, 1995/99)はアンチテーゼとして読むことができるとしている。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第71番
■ 所在
  大学図書館 旧書庫

【書籍】 マックス・ヴェーバー 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 岩波文庫 1989.1

大塚久雄による改訳版である。
営利を求めない禁欲的ピューリタリズムの精神が近代的資本主義を生んだという有名な本らしい。
というのは、単なる勤勉だけではないらしい。宗教というか、天職というエートスが必要らしい。
天職はルーターによるしている。

訳者によると、ウェーバーは比較宗教学の研究者であり、その文脈で本文献を読む必要があるとしている。

■ 書籍情報入手先
  社会学をつかむ 有斐閣 2008.7 unit4 社会学の論理 推薦図書
  静岡県立大学教員推薦の100冊第38番
  京都文教大学の100冊第6番
  市川学園100冊の本(高校編)第21番
■ 所在
  市民図書館 9F

【書籍】 魚住直子 『非・バランス』 講談社 1996.6

この本は、第36回講談社児童文学新人賞受賞作品。
こどもの心理はそれなりに描けているのかもしれないが、
小説して読むと、いまいち。

■ 書籍情報入手先
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第61番
  三省堂 中学生にすすめたい100冊の本第77番
■ 所在
  市民図書館 7F児・文学Jウ
  市立図書館 書庫

【書籍】 宮部みゆき 『ステップファーザー・ステップ』 講談社 1993.3

手元の本が1995.10で第11刷なので、それなりに売れていた本かと思う。
あまり、おもしろくない。

■ 書籍情報入手先
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第32番
■ 所在
  市民図書館 7F日本文学ミヤ
  市立図書館 書庫

2008年11月21日金曜日

【書籍】 寺澤盾 『英語の歴史』 中公新書 2008.10

どちらかというと、英単語の歴史である。
有益。巻末に参考文献あり。

小島義郎はか 英語語義語源辞典 三省堂 2004 語義・語源に重きを置いた英和辞典
寺澤義雄ほか 英語語源辞典 研究社 本格的語源辞典 1997 縮刷版 1999
中島文雄ほか 英語語源小辞典 研究者 1962 コンパクト
 同     英語発達史 (改訂版)岩波書店 2005 ややレベルが高い
ブラッドリ 英語発達小史 岩波文庫 1982 特に語彙変化・意味変化の章が秀逸

■ 所在
 市立図書館 830テ

2008年11月20日木曜日

【書籍】 沢木耕太郎 『深夜特急』 (1~6) 新潮文庫 1994.3

沢木耕太郎は文体が好きだ。だが、年のせいか、このような海外旅行でのふれあい本を読む進めることはできなかった。

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第38番
  北海道教職員による新入生への推薦図書(2008.春)第41番
  静岡県立大学教員推薦の100冊第111番
  京都文教大学の100冊第74番
  敬和学園大学 敬和100冊の本(2008年度)第46番
■ 所在
  市民図書館 7FB915.6サ1-6
  市立図書館

【書籍】 小林康夫、船曳健夫(編) 『知の技法』 東京大学出版会 1994.4

もう14年前となるが、
東京大学教養学部「基礎演習」テキストである。

■ 【推薦文献リスト】
■ 所在
 市立図書館002チ23

【書籍】 吉本ばなな 『TUGUMI』 中央公論社 1989.3

おもったよりおもしろい。

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第60番 
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第40番
  久我山高校文庫の100冊(日本文学)第98番
  富山県 すすめたい100冊の本(高等学校編) 第41番
  松岡正剛の千夜千冊 第350夜
■ 所在
  市民図書館 7F日本文学ヨシ
  

【書籍】 宮崎哲弥 『新書365冊』 朝日新書 2006.10

評論家、宮崎哲弥の新書書評。略歴を見ると、法学部ですね。
本の紹介では、政治哲学、宗教思想を主領域とする評論を発表とある。

■ 書籍情報入手先
  松岡正剛の千夜千冊 第千二百十六夜 2008年1月10日 
■ 所在
  県立図書館

【書籍】 岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』 岩波ジュニア新書 2003.7

ヨーロッパの思想は、ギリシャの思想とヘブライの信仰の上にたっている。ギリシアの思想は人間の自由と平等の自覚である。そして、理性主義である。
ヘブライの信仰とは、一神教で、人間のみが神の愛を受ける存在である。さらに、イエスの教えは敵をも愛せ。

  読書案内
■ 書籍情報入手先
  宮崎哲弥『新書365冊』朝日新書 2006.10 第2章哲学・論理学・数学 推薦本
■ 所在
  市民図書館 9F

【書籍】 小松正之『さかなはいつまで食べられる』 筑波書房ブックレット 2007.8

1990年頃から豊富にいる魚として、
かたくちいわし、さんま、かつお、ほっけ
があり、それらをとるべきとしている。
養殖の魚のえさであるフィッシュミールは輸入していることから、サンマでフィッシュミールを供給すべし。また、乱獲はやめよう(キンキ、マサバ、カツオ、マグロ)
著者は、農林水産省出身で、(独)水産総合研究センター理事。

■ 所在
 議会図書館 662

【書籍】 ウィリアム・B・ローガン『ドングリと文明』 日経BP社 2008.9

小麦文明の前にドングリ文明が地球規模であったという話。
三内丸山のクリ文化を見ていると、納得できる。

■ 所在
 市立図書館 653.7ロ

2008年11月19日水曜日

【書籍】 松岡正剛『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻 読書術免許皆伝』求龍堂 2007.6

松岡正剛の千夜千冊の解説本。
中には、松岡正剛流読書術も触れられている。最後に千夜千冊で紹介された本のリストがついている。
ちなみに、千夜千冊は県立図書館にある。

■ 所在
 市民図書館 8F一般調査019マ
 市立図書館

【書籍】 神田昌典、勝間和代『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』 ダイヤモンド社 2008.10

今、流行の2人によるビジネス選書。
「この本だけは絶対読もう!究極の10冊」でそれぞれ10冊。
「10年後あなたの本棚本棚に残る40冊」でそれぞれ40冊。計100冊。
全国カリスマ店の店員9名の推薦で9冊。が紹介されている。

■ 所在
  議会図書館

【書籍】 ジェームズ・アレン 『「原因」と「結果」の法則』 サンマーク出版 2003.4

1902年に書かれた「AS A MAN THINKETH」の訳本。自己啓発のバイブル。
内容は当然とも言える。じゃ、どうして人類は戦争をするのか。ホロコーストが起こるのか。

■ 書籍情報入手先
  10年後あなたの本棚に残るビジネス書100 神田昌典+勝間和代 究極の10冊 勝間推薦本
  京都大学新入生に薦める50冊の本(2007.4)  工学研究科加納先生推薦本
■ 所在
  市立図書館 159ア

【書籍】 J.P.ホーガン『星を継ぐもの』創元SF文庫 1980.5

SF作家、J.P.ホーガンの第1作目。
いまひとつ、おもしろくない。SFは合わないのか。

■ 書籍情報入手先
  読書を楽しもう 岩波ジュニア新書 2001.1 北村薫推薦本 
■ 所在
  市民図書館 7F文庫 B933ホ

【文献】 柄谷行人「序説-ネーションと美学」『定本柄谷行人集4』 岩波書店 2004.5

国家、ネーション、ステートに関する文献的考察。
国家も交換によるとしているが、どうも、著者は経済についてはあまり知らないようである。

■ 書籍情報入手先
  社会学をつかむ 有斐閣 2008.7 unit4 社会学の論理 推薦図書

■ 所在
  県立図書館

2008年11月18日火曜日

【書籍】 立花隆『ぼくはこんな本を読んできた』 文春文庫 1999.3

文藝春秋の12月号(2008.11)で佐藤優がスパイの読み方と同じということで、ホントかという思いで読んだ(たぶん、再読)。
調査のための読書法として、教科書的入門書3冊(人文系であれば立場の異なるもの)、次に古典的入門書、若手の書いた入門書に進み、入門書の文献リストから名著を探し、次に少し毛色の変わったものも含める。次は、学問史、学説史、次は、各論を1冊、あと、専門辞典、年鑑を1冊求める。
あとはひたすら読む。ノートはとらない。

うーん、これって、理系で言うと、学部の学生の勉強法。理系では3冊はいらず、1冊あればよい。多読は論文。後はひたすら、実験するか、考える。

ちょっと、おやと思ったのは、1秒1ページ読むのも可能で、昔は、本の何ページあたりに書いてあったか覚えていたというくだり。最近流行のフォトリーディングにほかならない。

後、気になるのは、「科学の最先端はほとんどオカルト」というせりふ。これを聞くと、危うい感じがする。

■ 所在
  市民図書館 7F文庫 B109タ

2008年11月17日月曜日

【書籍】 高瀬正仁 『岡潔 数学の詩人』 岩波新書 2008.10

数学者岡潔の研究史。残念ながら、読んでもよくわからない。

■ 所在
  市立図書館 289オ

2008年11月16日日曜日

【書籍】 中西庄司、上野千鶴子『当事者主権』 岩波新書 2003.10

障害者、高齢者等の自立、すなわち、当事者が自己決定することの重要性について書かれた本。

■ 書籍情報入手先
  社会学をつかむ 有斐閣 2008.7 unit4 社会学の論理 推薦図書
  敬和学園大学 敬和100冊の本(2008年度)第60番
■ 所在
  市民図書館 7F新書 S369ナ

【書籍】 『パパラギ-はじめて文明を見た南海の酋長ツアイビの演説集』 立風書房 1981.4

初版は1920年ショイルマンによってドイツ語で刊行された。
文明批評ともなっている。
しかし、この本は子どもの心を持っていれば書くことができる。

■ 書籍情報入手先
  知的複眼思考法 推薦図書 6/10

■ 所在
  県立図書館

【書籍】 カール・R・ポパー、フランツ・クロイツァー 『開かれた社会-開かれた宇宙』 未来社 1992.9

ポパーとの対話集。
反駁可能であることが重要。繰り返し、繰り返し言っている。
アインシュタインだって、自分の理論が正しいかどうかは、このような観察をしてみればわかると述べた。
常に、理論には反駁可能性が必要だ。

■ 書籍情報入手先
  小河原誠『ポパー:批判的合理主義』講談社 1997.3 読書案内 推薦図書 2/9
■ 所在
  大学図書館

【書籍】 向田邦子 『父の詫び状』 文藝春秋 1978.11

古き良き時代の家族の思い出。

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第35番
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第89番
  三省堂 中学生にすすめたい100冊の本第92番
  椙山女学園中学校100冊の本(平成19年度)第67番
  富山県 すすめたい100冊の本(高等学校編) 第38番
■ 所在
  市民図書館 7F日本文学ムコ
  市立図書館 書庫

【書籍】 浅羽道明 『大学で何を学ぶか』 幻冬舎 1996.4

うーん、あまりおもしろい本ではないな。


■ 書籍情報入手先
  知的複眼思考法 推薦図書 5/10

■ 所在
  市民図書館 8F社会科学 377.0ア

2008年11月15日土曜日

【書籍】 近藤康子『コルチャック先生』 岩波ジュニア新書 1995.6

子ども権利条約の精神的な父と呼ばれるユダヤ系ポーランド人であるコルチャックが作った子ども施設での教育方針及びユダヤ人ホロコースト時代のポーランドの状況等について書いてある。

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第18番 
■ 所在
  市民図書館 6F生きるY11
  市立図書館 IW081イ256

【書籍】 M・ミッチェル・ワールドロップ 『複雑系』 新潮社 1996.6

複雑系研究で有名なサンタフェ研究所の始まりについて記されている。
複雑系に関する研究がどのようにして進められたか、また、新たな分野の研究の進め方などおもしろい。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第70番

■ 所在
  大学図書館 404W36

【書籍】 ジョエル・ベスト『統計はこうしてウソをつく』 白揚社 2002.11

統計の社会的影響とか、単なる憶測の数字が一人歩きしてしまう事例など、なかなか興味深い。
メディア人は読むべき。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第53番

■ 所在
  市立図書館 りんご図書コーナー361.9ベ

2008年11月12日水曜日

【書籍】 野坂昭如 『アメリカひじき・火垂るの墓』 新潮文庫 1972.1

火垂るの墓は映画で見ているので、小説を読むことはできない。
他を読んだが、やはり、妹見殺しが実際にあったかはわからないが、野坂の中にどうしようもないものとして抱えられていると思う。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第26番
  北海道教職員による新入生への推薦図書(2008.春) 第128番
  静岡県立大学教員推薦の100冊第105番
  久我山中学校文庫の100冊(日本文学) 第68番
  久我山高校文庫の100冊(日本文学)第66番
  三省堂 中学生にすすめたい100冊の本第79番
■ 所在
  市民図書館 7F Bノサ

【書籍】 灰谷健次郎 『兎の眼』 新潮文庫 1984.12

実は初めて読んだけど、なかなか、名作だと思う。
時代環境が異なることから、子ども達がどう受け止めるか知りたいものだ。
初出は1974.7理論社で、作者による後書きがあるようだ、読むべきかと思う。

■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第58番
  光村図書が薦めるこの100冊(中学校) 第5番
  久我山中学校文庫の100冊(日本文学) 第69番
  敬和学園大学 敬和100冊の本(2008年度)第10番
  常葉学園大学 学生に薦める100冊の本第7番
■ 所在
  市民図書館 7F文庫Bハイ

2008年11月10日月曜日

【書籍】 増田四郎 『大学でいかに学ぶか』 講談社新書 1966.5

古きよき時代の大学での学問。
自分で考えろ。原典に当たれ。ゼミで鍛えよ。語学をやれ。秀才より誠実と根気。数字だけ追うな。

■ 書籍情報入手先
  知的複眼思考法 推薦図書 4/10

■ 所在
  市立図書館 7F新書 S377マ

【書籍】 遠藤周作 『海と毒薬』 新潮文庫 1960.7

終戦末期の捕虜の人体実験をテーマにした本。ノーと言えない日本人の弱さを追求している。
佐伯彰一の解説によると、「留学」と「沈黙」と合わせて、一種の三部作として読み直すことを提示している。


■ 書籍情報入手先
  市川学園100冊の本(中学校編)第55番
  久我山中学校文庫の100冊(日本文学)第17番
  久我山高校文庫の100冊(日本文学)第20番
■ 所在
  市民図書館 7F文庫Bエン

【書籍】 金子勝、アンドリュー・デウィット 『世界金融危機』 岩波ブックレットNo.740 2008.10

サブプライムなど、世界の金融危機の解説本である。
アメリカの金融危機は、銀行が制約のない子会社(投資、証券)をつくり、住宅証券に手を出したことにはじまる。金利の安い債権を発行し、その金で金利の高い長期債権を買えば、自動的に利益が生じ、この利益をあてにして、債権を発行する。これが歯止めのない信用創造を作り出したが、今は、歯車が逆回りで信用収縮している。
これが世界に影響を与えており、筆者は未曾有の世界的な金融危機に陥るとしている。
警告の本だが、どうすればいいのかは示されていない。

■ 書籍情報入手先
  朝日新聞書評 2008.11.09 
■ 所在
  議会図書室 300

【書籍】 岡倉徹志 『アラブのゆくえ』 岩波ジュニア新書 1991.6

筆者は、大学時代にアラブ世界を勉強し、毎日新聞社入社。出版当時、富山国際大学教授。

中東の歴史、イスラムの歴史を平易に記述している。前半はよくまとまっているが、後半は現代史なので、くどくどしい。

2008年11月9日日曜日

【書籍】 益川敏英 『現代の物質観とアインシュタインの夢』 岩波書店 1995.10

ノーベル賞受賞記念で2008.10第2刷発行である。
よくわかりやすい。引力のような遠隔力を量子力学でどうみているかなど、おもしろい。ただ、後半の素粒子論はついていけなかったが。

■ 所在
  議会図書室 429

【書籍】 ブライアン・フェイガン 『千年前の人類を襲った大温暖化』 河内書房新社 2008.9

今から1000年前、ヨーロッパは温暖な気候となり、ワインを初め、豊穣な時代であった。しかるに、南北アメリカ、中国では大干ばつに襲われ、いくつもの、文明、集落が放棄された。
問題は温暖化に伴う干ばつのメカニズムであるが、この辺をもっとしっかり説明してほしいものだ。
著者はすでに『歴史を変えた気候大変動』、『古代文明と気候大変動』を出している(河内書房)。

■ 書籍情報入手先
  日経新聞書評 2008.10.26

■ 所在
  市民図書館 451.8フ
  市立図書館 451.フ

【書籍】 戦争遺跡保存全国ネットワーク編 『戦争遺跡から学ぶ』 岩波ジュニア新書 2003.6

戦争遺跡としては、地下壕、トンネルが多いようだ。
参考図書、ネットワーク、博物館・資料館のリストもついており、戦争遺跡の入門としてはいいと思う。

■ 所在
  市立図書館 児童 081イ436

2008年11月8日土曜日

【書籍】 二井一禎 『マツ枯れは森の感染症』 文一総合出版

マツ枯れの原因究明の本。おもしろい。

■ 書籍情報入手先
  京都大学新入生に大学新入生に薦める50冊の本(2007.4) 
■ 所在
  市立図書館 653フ

【書籍】 広島大学総合科学部101冊の本プロジェクト編 『大学新入生に薦める101冊の本』 岩波書店 2005.3

最近、これで本を探している。解説や関連する本も紹介している。
1冊手元に置くといいと思う。

■ 推薦本リスト
■ 所在
  大学図書館 2F

【書籍】 岩波書店編集部編 『読書を楽しもう』 岩波ジュニア新書 2001.1

13人に聞く読書の楽しみだが、各人ともさまざまな書き方でおもしろい。
推薦図書のリストについては、 【推薦図書リスト】


■ 所在
  市立図書館 児童書 081イ364

【書籍】 アラン・ブルーム 『アメリカン・マインドの終焉』 みすず書房 1988.12

簡単に言うと、アメリカの大学(知性)が60年代以降堕落している、文化相対主義に毒されているという主張。
あまりおもしろくない。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第81番

■ 所在
  大学図書館 2F 377.25 B58

2008年11月6日木曜日

【書籍】 鶴見俊輔 『ひとが生まれる 五人の日本人の肖像』 筑摩書房 1972.7

個人として、国家と対峙した5人の日本人伝。子ども向けながら、おもしろい。

■ 書籍情報入手先
  社会学をつかむ 有斐閣 2008.7 unit2 社会 推薦図書

■ 所在
  市民図書館 9F書庫

2008年11月5日水曜日

【書籍】 丸山工作編 『ノーベル賞ゲーム』 岩波書店 1998.5

ノーベル賞受賞を記念して。ノーベル賞を巡る先取権争い、競争研究者間の険悪な関係などを書いている。
書いているのは研究者であり、それなり信頼できよう。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第80番

■ 所在
  市民図書館 9F書庫

【書籍】 奈良貴史 『ネアンデルタール人類のなぞ』 岩波ジュニア新書 2003.10

ネアンデルタール人の専門家(実際にフランスで研究)による解説。図版類が多く、よくわかる。この本は薦められる。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第59番 関連図書

■ 所在
  市民図書館 6F24

【書籍】 河合信和 『ネアンデルタール人と現代人』 文春新書 1999

ネアンデルタール人について研究の歴史、最近の研究について触れている。筆者は科学ジャーナリストである。文章はわかりやすいが、図版類がとぼしく、結局、ネアンデルタール人の特徴をきちんと解説していない。関連図書として『ネアンデルタール人類のなぞ』の併読を薦める。岩波ジュニア新書であるが、図版類がしっかり載っている。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第59番

■ 所在
  市民図書館 7F新書

【書籍】 盛山和夫 『社会調査法入門』 有斐閣 2004.9

社会調査における質的調査と量的調査についてバランスよく解説している。
アンケート調査を受ける側であっても有益である。

■ 書籍情報入手先
  社会学をつかむ 有斐閣 2008.7 unit3 社会学 推薦図書

■ 所在
  市民図書館 8F社会科学 361.9セ

【書籍】 鈴木孝夫 『ことばと文化』 岩波新書 1973.5

ことばの意味は文化とわかちがたいこと、すなわち、文化を理解しないとことば(外国語)を理解できないことを解説している。
かなり昔に一読して以来の再読であり、やはり名著である。この方面の研究が進んでいるかどうか気になるところ。

実は今回、あっと思ったのが、16ページにあるスープの飲み方に関する西洋人と日本人の図である。頭の上から見た状況を図示しているのだが、数年前、海外旅行時に、添乗員の方からスープを飲むときはスプーンを口の中に入れるということを教えてもらった。まさに、その図が載っている。

■ 書籍情報入手先
  大学新入生に薦める101冊の本 岩波書店(2005.8)第90番
  京都文教大学の100冊第52番
  敬和学園大学 敬和100冊の本(2008年度) 第76番
  市川学園100冊の本(高校編)第52番
  久我山高校 新書の100冊第57番
■ 所在
  市民図書館 9F書庫

2008年11月4日火曜日

【書籍】 折原浩 『デュルケームとウェーバー』(上・下) 三一書房 1981.12

デュルケムの自殺論を取り上げ、社会科学の方法論に関する古典研究である。
最後にデュルケーム社会学からのパラダイムとして、
1.問題の提起 2.データ収集と先行説の学習 3.指標問題の選定 4.指標の定義 5.研究対象の画定 6.方法の提唱 7.仮説の集成と分類 8.仮説の検証(概念の明確化、仮説からの論理的演繹、経験的データとのつき合わせ、棄却または立証) 9.理論の構成(経験的一般化命題の定立、先行仮説の棄却、新仮説の提起、新仮説の第一次検証、新仮説の普遍的検証、一般理論の人間遡及的説明) 10.人間遡及的説明 11.相対把握 12.道徳的是非の決定 13.正常-異常の判別 14.実践的対応策の構想 15.随伴結果の予測 16.実践的対応策の実施と検証 これが輪になっている。

社会科学は、社会を科学するとか、社会の科学的知見でもない。やはり、社会学なのである。
こうしたことが感じられる本。

行政は社会科学の実践の場であると思う。社会への深い洞察が必要だし、理論も政策提言も必要。地方自治としても、学との連携が必要なのはいうまでもない。

■ 書籍情報入手先
  知的複眼思考法 推薦図書 3/10

■ 所在
  大学図書館 旧書庫

2008年11月3日月曜日

【書籍】 脇祐三 『中東激変』 日本経済新聞社 2008.9

最近、国会議員の海外視察でドバイが多いと聞いた(某テレビ番組)。
ドバイを初め、中東で投資ラッシュで物価高も2桁。
日本企業も遅ればせながら、中東で商売を始めているらしい。
また、ロシア、フランス、アメリカは中東での電力需要贈が原油輸出減につながらないように原子力発電所を薦めているとのこと。
中東について全く無知だったな。
なお、筆者は日経新聞記者。前書が2002年の『中東 大変貌の序曲』

■ 書籍情報入手先
 朝日新聞書評(2008.10.19)

■ 関連図書
 吉岡一 『イラク崩壊』合同出版

■ 所在
  市立図書館 302ワ

2008年11月2日日曜日

【書籍】 石田英一郎 『桃太郎の母』 講談社 1966.10

比較民俗学の本。日本の民俗のみならず、世界の民俗と比較する本である。

ただ、それが古い古層の記憶としても、なぜ、そうした話が伝播していくのか、何かなるほどと思わせるものが必要であろう。そうなると、深層心理学みたいな分析も可能ではないかと思う。

■ 書籍情報入手先
 松岡正剛の千夜千冊遊蕩編1244夜

■ 所在
  市民図書館 9F書庫

【書籍】 西研 『ヘーゲル・大人のなりかた』 NHKブックス 1995.1

かなりわやりやすく書いてあると思うが、どうも、現在の問題意識とは合わないようで、読んでも内容が頭に入ってこない。
国家意識が希薄なせいかもしれない。

■ 書籍情報入手先
  知的複眼思考法 推薦図書 1/10

■ 所在
  大学図書館 2F 134.4N81