2013年10月29日火曜日

【書籍】 山下祐介 『東北発の震災論』 ちくま新書 2013.1


副題:周辺から広域システムを考える
☆弘前市の職員派遣もかかれているし、思ったより中立的な立場で書かれている。
と思ったが、最終章がいただけない。
広域システムが大きすぎる問題点(個々の人ではなく数値として把握されている。システムの綻びや社会の破局)を指摘し、それを踏まえた上で、広域システムの合理化に対向する「知」は西洋近代と異なる論理が必要で、東北は新しい社会形成の実験場としての再生を訴えている。
しかし、その指摘の根本は我々の生活がインター・ディペンダントであることから発生するものであり、社会が段々とその傾向を強めているからに他ならない。何をどこまでディペンダントし、どこまでインディペンダントを貫くのか、そういう覚悟の問題ではないかと思う。
さらには、資本主義社会の限界もあると思う。
■ 書籍情報入手先   ★☆☆☆☆
  『新聞書評(2013.3-)』 2013/3/10 毎日 3/3 朝日
  『出版物情報(1)』 (ちくま 2013.2)
■ 所 在
  県立 市立369ヤ 大学文庫995

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