本書は、河北新報日曜版に平成19年7月から12月にかけて、月2回のペースで連載された『東北 知の鉱脈 赤坂憲雄が行く』をとりまとめ加筆訂正したもの。
とりあげた人物はそれなりの人物で中には、後藤新平のように水沢の出身ということを初めて知った人もいる。
赤坂憲雄はいい意味でも悪い意味でも赤坂憲雄であり、やや予定調和的というか食傷気味でもある。
赤坂氏自身は東京出身であるが、父親が福島出身である。氏の目線は外部のそれであり、内部のそれである。ここに優れた資質が隠されていると言えよう。
ただ、気になるのが「知の鉱脈」という表現。本書では、「東北の埋もれた人と思想、その秘められた知の鉱脈をひとつひとつ掘り起こしながら」とある。なぜ、知なのか。「人と思想」を「知」で括るのは理解に苦しむし、なぜ、鉱脈なのか。赤坂は鉱脈を当てる山師なのか。あるいは、その「思想」が今日に伝えられずに、過去に
おいて孤立した存在であることを暗に示そうとしているのか。
■ 所在
市民図書館 A280ア
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