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書籍情報入手先
『新聞書評(2018.3-)』 2018.4.1 読売
『出版物情報(7)』 (書標)2019.4
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所 在
県立 大学673.94H27p 公立673.9H27
副題:周縁経済から巨大市場へ
○主テーマ:パチンコ産業が発展してきた軌跡
○オリジナリティ:先行書籍は視点が著しく偏っている。
○視点:地下経済から脱皮できた変化に焦点を当てることによってパチンコ産業の発展のプロセスを検証する。脱税問題・暴力団の資金源などの陰の部分。巨大市場へと至る過程についての経済の論理に即した説明
○意義:パチンコの日常性を外国との比較。規制のなかでの巨大産業化のダイナミズム
○産業の特徴:規制産業(行政及びプレイヤー自らのルール)。パチンコ機械の開発リスクが高い。
○経緯
・パチンコは風俗営業取締法の規制対象(設備を設けて客に射幸心をそそる虞のある遊技をさせる営業)。1954年東京都公安員会が連発式機械の禁止措置令を発表、1955年4月実施。規制の影響は甚だしかった。
・平成6年度サービス業基本調査報告:事業収入額を約30兆円と推定。
・パチンコホール、企業数とも2006年から10年の間に約28%減少。市場規模は2005年の34.8兆円から2015年には23.2兆円に減少。
○パチンコ産業と民族マイノリティに関するアンケート調査(市民大学(退職後)と北海道大学(学生)):在日韓国・朝鮮人との関係について、若い世代において関連づけは希薄となっている。
○時代区分:事業確立期(1950-1990年代):創成期(1950-)、第2期(-1980)停滞期(中で2期の区分)、第3期(1980-)成長期:全部で4期
○参考文献
公的規制の経済学 植草 2000 大学新書庫 公立
社会的規制の経済学 植草 1997 大学書庫332.1Sh12
サービス産業の生産性分析 森川 2014
エコミスト
ジュリスト
○その他産業史書籍
・「在日企業」の産業経済史 大学335.21H27
・水洗トイレの産業史 大学研究室
(感想・メモ)
・規制産業という観点では、パチンコ産業と警備業と共通点がある。ただ、警備業の場合、どちらかというと不当な対応をしないようにという観点からの最小限の規制である。そのため、規制により、産業発展に著しい影響がなかったものと思われる。(検証必要)
・つまり、これまでの警備業の発展は需要の増大(新規事業も含め)によるものと考えていいのではないか。