2021年9月1日水曜日

【書籍】 山岸俊男 『安心社会から信頼社会へ』 中公新書 1999.6

 副題:日本型システムの行方

■ 所 在  県立 7FS361.4ヤ 市立 公

p.6 国や大学の規則は研究費の支出にあたって巨額の無駄を強制する働きをします。そして、この非効率さは不信が生み出す非効率さなのです。もし国民が、あるいは文部省の官僚が学者を信頼できれば、研究費の使途について細かな規則で縛り付けて無駄を強制しなくてもすむからです。


 ☆研究費の使途について細かな規則が存在するのは、(自由に研究費を使わせれば、研究費を個人的な目的のために流用する者がいるだろうという)不信が存在しているからです。


p.6 ☆お役所仕事を非効率的にしているこれらの規則が、究極的には役人に対する国民の不信から生まれたものだという点です。

国民は、役人に対する不信のつけを、(研究費に対する規則により)巨大な無駄を生み出すことで支払っているのです。


一部事業者であっても、国民の不信を放置しておくと、国による規制につながり、お役所仕事が増加することになりかねない。


すべての人間が信頼に値するよう身を慎んで行動している社会、そして誰もが他人を信頼している社会、つまり関係資本が充実している社会では、このような無数の煩雑な規則が生み出す非効率さは存在しないはずです。


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