信用創造といい、債権の証券化といい、先に富を形成して、借金を後回しにするし、しかも、その借金がだんだんと膨らむことになるのだから、いずれ、調整が行なわれることとなる。
p.23 (サブプライム問題は債権の証券化。)債権と証券の違いは、債権が基本的に転売出来ない性格のものであるのに対して、証券はそれが可能だというところにある。
p.28 部分最適の総和が全体最適とは限らない。この現象を、世に「合成の誤謬」という。
p.38 (低金利のため)ただ同然の金利負担で日本で資金を調達し、外貨に換えて運用する。その流れに乗ってあふれ出るジャパンマネーが、世界的な過剰流動性景気を地球経済にもたらした。
p.156 たとえある企業が無借金経営を行っていても、その顧客や仕入れ先が謝金依存型の経営をしていれば、やはり信用連鎖のネットワークのなかに組み込まれている。(略)この関係が続いている限り、カネの世界で起こる変調は直ちにモノの世界に波及する。
p.170 ドル離れと外貨建て資産の円回帰。この二つの要因によって、円ドル相場は2008年10月以降、90円台をつける展開で推移してきた。(略)円の「隠れ基軸通貨」的特性が表れているように思える。
p.193 基軸通貨なき時代の通貨体制とはどのようなものか。筆者は、その軸が「地域通貨」になるのではないかと考えている。(略)独自の通貨を持つ地域共同体が経済活動の軸となれば、あるいは、モノとカネの健全は形での再結合への展望が開けるかもしれない。
■ 書籍情報入手先 ★★☆☆☆
「立花隆選・文庫&新書百冊」 第41番 『ぼくらの頭脳の鍛え方』 2009.10
■ 所在
県立 7FS333.6ハ 市立333ハ 大学旧080.2A.1168
0 件のコメント:
コメントを投稿