2011年1月19日水曜日

【書籍】 浜矩子 『グローバル恐慌 金融暴走時代の果てに』 岩波新書 2009.1

信用創造といい、債権の証券化といい、先に富を形成して、借金を後回しにするし、しかも、その借金がだんだんと膨らむことになるのだから、いずれ、調整が行なわれることとなる。

p.23 (サブプライム問題は債権の証券化。)債権と証券の違いは、債権が基本的に転売出来ない性格のものであるのに対して、証券はそれが可能だというところにある。

p.28 部分最適の総和が全体最適とは限らない。この現象を、世に「合成の誤謬」という。

p.38 (低金利のため)ただ同然の金利負担で日本で資金を調達し、外貨に換えて運用する。その流れに乗ってあふれ出るジャパンマネーが、世界的な過剰流動性景気を地球経済にもたらした。

p.156 たとえある企業が無借金経営を行っていても、その顧客や仕入れ先が謝金依存型の経営をしていれば、やはり信用連鎖のネットワークのなかに組み込まれている。(略)この関係が続いている限り、カネの世界で起こる変調は直ちにモノの世界に波及する。

p.170 ドル離れと外貨建て資産の円回帰。この二つの要因によって、円ドル相場は2008年10月以降、90円台をつける展開で推移してきた。(略)円の「隠れ基軸通貨」的特性が表れているように思える。

p.193 基軸通貨なき時代の通貨体制とはどのようなものか。筆者は、その軸が「地域通貨」になるのではないかと考えている。(略)独自の通貨を持つ地域共同体が経済活動の軸となれば、あるいは、モノとカネの健全は形での再結合への展望が開けるかもしれない。

■ 書籍情報入手先   ★★☆☆☆
  「立花隆選・文庫&新書百冊」 第41番 『ぼくらの頭脳の鍛え方』 2009.10
所在
  県立 7FS333.6ハ 市立333ハ 大学旧080.2A.1168

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