2011年2月19日土曜日

【書籍】 西堀栄三郎 『南極越冬記』 岩波新書 1958.7

p.84 越冬隊員の人数には、十人と割り出した。会社でも部下はいいとこ6名という。
p.85 マネージメントは一番楽なのは6,7人。南極では、力仕事もあるし、雑用も多いから、十人くらいが、実際問題としてよいだろうと考えた。隊員の中には、わたしのように年をとって力のでない人間、「必要なる余り者」がいるので、12人が理想的だと思った。
p.96 マージャンはやっている人がばかに見えてしようがない。パチンコをやっているやつの方が、まだよっぽどましだという気がする。わたしには、確率の入る割合が高いほど、アホウな遊びに見えるのである。
p.99 娯楽をもたないということは、わたしの一つの欠陥である。これでは人を統率していくのはむつかしい。わたしはそれをよく承知している。それで、わたしは、この人たちのこういう面も理解するように努力しなければならぬと思っている。かれらの言うことには耳をかたむけようと努力している。みんなと遊んでいる中野のやり方を見ていると、自分が享楽するというよりは、意識的に、みんなを適当にあそばせてやっているということがはっきりしている。
p.155 最低の生活が確保されたら、その次の一段飛躍した行動に出るのが人間の常ではないか?できることは、実行した方がよいではないか。しかし、こういう行き方は、あるいは西堀流ともいうべき、わたし個人の行き方にすぎないのかもしれない。一つ成功したら次、また一つ成功したらその次へ進む。よい言葉でいえば漸進主義だし、悪くいえば調子に乗るということにもなるだろうか。

■ 書籍情報入手先   ★★★☆☆
  『「本の定番」ガイドブック』 11 鷲田小彌太 2004.6
■ 所在
  県立'69 7FS402.9ニ'79 市立書庫402ニ'79 大学旧'58

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