チェコ神学者のフロマートカの自伝。
p.64 ルターは、恐らくドイツ主観主義の源泉の一人であろう。この主観主義は、人間の最も深い深淵をいかに洞察し、あがないと救済の体験の最高点にいかに到達できるかということを示しているが、それ以外のことをすべて無視してしまい、社会における人間関係が、社会の最も貧しい人々の要求に対してより公正で配慮深くなるよう行動しなくてはならないという教会の役割を、無視しているのではあるまいかとの疑問を生じさせる。
p.65 ナチス第三帝国の諸事件の中で、また教会においても同様に、われわれはルターのニ王国説の不幸な影響を目の当たりに体験した。.....深い宗教的生活とこの世の状況に対する関心の完全な欠如が極めて容易に結合することを見るときに、われわれはこの結合がルター自身に根拠を持つのではないかと問わずにはいられない。.....これらの理由から、われわれは真剣かつ深い関心を持ってチェコ宗教改革の伝統に回帰するようになった。
■ 書籍情報入手先 ★★☆☆☆
『佐藤優選の100冊』第22番 『21世紀図書館 必読の教養書200冊』 文藝春秋 2008.12
■ 所在
県立
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