アウシュビッツでひとり生き残ったもの。
「いったい、神はどこにおられるのだ。」
「どこだって。ここにおられる--ここに、この絞首台に吊されておられる……。」
その晩、スープは屍体の味がした。
ある日、私は全力をふりしぼったすえに起きあがることができた。私は正面の壁にかかっている鏡に移った自分の姿を見たいと思った。私はゲットー以来、自分の顔を一度も見ていなかったのである。
鏡の底から、ひとつの屍体が私を見つめていた。
私の目のなかのその屍体のまなざしは、そののち片時の間も私を離れることがない。
(関連図書)
フランクル 『夜と霧』
■ 書籍情報入手先 ★★★★☆
『心の扉を開く』 2.心の深み 河合隼雄 2006.3
■ 所在
9F 市立書庫953ビ
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